この記事は約5分で読めます。
日本ではコロナ禍を期に拡大したと言われるビジネス潮流「パッション・エコノミー」。
みなさんはこの言葉を聞いたことがあるでしょうか?
パッションとは「情熱」を意味し、もともと米国を中心に、個人の働き方を変える新たな経済圏として拡大してきました。
本記事では、新規事業担当者が知っておきたい「パッション・エコノミー」について説明していきます。
パッション・エコノミーとは?
「パッション・エコノミー」とは、個人の個性(想いや価値観、知識・スキル)を活かしてサービスを提供することで成り立つ経済圏のことをいいます。
アメリカの投資会社アンドリーセン・ホロウィッツが名付けて話題になったと言われています。
近年、様々な領域で個性を価値に転化して収益化するためのプラットフォームが形成され、誰もが「好きなことを仕事にする」ことが可能な時代になりました。
これによって、副業や専属クリエイター、マイクロ起業家など、多様な働き方の選択肢が生まれています。
例えば、パッション・エコノミーに該当するサービスのわかりやすい代表例はYouTubeやSHOWROOMといった動画・ライブ配信です。
パッション、情熱を持つ人を支援するプラットフォームをつくり、個性を表現したコンテンツの創出・提供を重視していることが特徴です。
これらのプラットフォームの多くはデジタル・プロダクトやバーチャル・サービスを利用しています。
パッション・エコノミーとギグ・エコノミー
ギグ・エコノミーの「ギグ」は、もともとライブハウスで他のグループからメンバーを借り、一時的なセッションを行う言葉として使われていました。
このギグ・エコノミーはインターネットのプラットフォームを利用して主に単発の仕事を請け負う仕事の働き方です。
代表的なサービスは「Uber」や「Airbnb」が挙げられます。
ギグ・ワーカーなどと言われ、働き方の多様化、労働不足の解消、人材不足問題を背景に拡大してきましたが、「ギグ・エコノミー」の問題点は、画一的な仕事内容でなかなか個性を活かすことができず、多く稼ごうと思うと長時間労働せざるを得ず、顧客との長期的な関係性を築くことが困難、という点があります。
逆に、パッション・エコノミーにおいては、自分の得意なこと、好きなことを場所や時間の制約にとらわれず、顧客と直接の接点を持ちながら継続して関係性をつくりコミュニティを拡大したり、報酬も画一ではない点が特徴です。
こうした特徴からパッション・エコノミーに注目が集まっているようです。
ギグ・エコノミーとパッション・エコノミーの違い
パッション・エコノミー | ギグ・エコノミー | |
収益形態 | 継続的に収益が発生する | 単発の収益が多い |
報酬額 | 様々 | 低額 |
個性へのスタンス | 個性を表現しサービスの魅力を高め、差別化を図りたい | 個性を出さずサービスの質を一定にしたい |
消費者への訴求方法 | 直接営業・情報発信 | マーケティング・プラットフォーム依存 |
パッション・エコノミーの魅力
パッション・エコノミーが普及していけば、それぞれが「得意」や「好き」を活かして生計をたてることができます。
自分の得意や好きを活かして働きながら、時にはお客様から感謝もされる。
それによって幸福度も上がり、楽しみながら仕事ができるようにもなります。
つまり、「個人の才能によりフォーカスが当たりやすくなること」「生き方の選択肢が広がること」これらは働く人にとって大きなメリットでしょう。
パッション・エコノミーのメリットをまとめてみます。
メリット① 働く人の幸福度が向上
個人が自分の「好き」を活かして生計を立てていけるようになるので、個人の幸福度向上・個人の収入源の多様化につながります。
メリット② 社会の生産性が上がる
好きなこと、得意な分野に多くの人々がフォーカスすることで、社会の生産性が向上します。
メリット③ ユーザーの選択肢
個人の「好き」「興味がる」が反映されたコンテンツが増えていくため、ユーザーの選択肢が広がります。
本サイトの運営ならびに記事の執筆を行っているムーンプライドでは新規事業の立ち上げや推進に関するコンサルティングサービスを提供しております。
大手企業における新規事業企画、事業の推進支援やパートナー企業との共創事業支援、DX営業支援などを行わせていただいており、ご興味のある方は本サイトの案件登録フォームからお問い合わせください。
また、大手ファーム出身のコンサルタントも募集しておりますので、案件をお探しの方はfirmgradsからご登録をお願いいたします。
新規事業担当者必見!パッション・エコノミーのサービス事例
パッション・エコノミーに該当するサービスの代表例として先にYouTubeやSHOWROOMを挙げましたが、ここではその他のプラットフォームについて紹介します。
①ミラティブ
ゲーム配信プラットフォーム「Mirrativ(ミラティブ)」の運営を行う日本の企業の企業です。
スマホで簡単にゲームプレイ動画をリアルタイムで配信・視聴できるプラットフォームです。
配信者は投げ銭に加え、視聴者やコメントの数も収益につなげることができるのが特徴。
2018年2月、株式会社エモモを赤川隼一氏が創業。
理念は「わかりあう願いをつなごう」。
同年3月にMirrativを株式会社ディー・エヌ・エーから事業継承。
2022年11月 には MIXI、丸井グループ、KDDI Open Innovation Fund 3号、バンダイナムコエンターテインメント、セガの5社を引受先とした第三者割当増資を実施。
②note
noteは、2014年4月にサービスを開始。
運営会社は株式会社note。
クリエイターが文章や画像などのコンテンツを投稿し、それをユーザーが楽しみ、応援できるプラットフォーム。
クリエイターは有料記事や定期購読マガジンなどの形式で収益を得ることができます。
③Base
初心者でも簡単にECサイトが作成できるサービスを提供しています。
低コストで気軽に始めることができます。
費用は売れた時の手数料のみ、ノーリスクで始められる点、簡単な操作、クーポンやショッピングサービスで売れる仕組みを提供している点が特徴。
④Mosh
あなたの「好き」が仕事になる。
英会話やフィットネスなど、個人の「無形サービス」を販売するオンラインサービスを提供。
月額サブスクはもちろん、誰でも簡単に予約決済サイトを作成することが可能。
累計サービス取引件数40万件突破、累計サブスク利用者のべ3万人を以上。
まとめ
SNSが活発化し、個人がつながりやすくなり、「機能に対する価値」ではなく「体験に対する価値」が重視される時代を迎えています。
その流れのなかで、パッション・エコノミーの応用は多くのビジネス分野で広がっていくことが予想されます。
「パッション・エコノミー」という言葉自体は日本国内ではそれほどの広がりを見せていませんが、このような働き方は今後爆発的に広がる可能性があります。