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経済産業省が行った新規事業にまつわる調査の中で、新規事業の実に8〜9割が失敗に終わるというデータがあります。
もちろん、この中には中小ベンチャーだけでなく大企業の新規事業も含まれます。
失敗に至る理由の多くは、製品・サービス開発のための調査不足といわれています。
そこで、本記事では新規事業におけるニーズの調査に主眼を置きアンケートを含め効果的なリサーチ手法を解説していきます。
新規事業におけるニーズ調査の意義・目的
新規事業に取り組む上で、ニーズ調査はとても重要な工程です。
ニーズ調査の目的は、もちろん消費者や顧客のニーズをしっかり把握することにあり、把握したニーズをもとに新商品・サービスの創出や改善に活かすことです。
ニーズを反映した商品・サービスで顧客満足が得られれば、リピーターの増加、ファンの創出と、新期事業は成功に向かうでしょう。
しかし、冒頭で8〜9割の新規事業が失敗に終わると述べました。
それはニーズ調査をおこなっていないわけではなく、ニーズを正確に把握し、それを商品開発に活かすことの難しさを表しています。
【関連記事】新規事業を立ち上げるときに知っておきたいポイント4選!プロセスもステップごとに解説
新規事業におけるニーズの調査方法
ニーズの調査方法にはいくつかありますが、ここでは企業が実際によく行う代表的なものを3つご紹介します。
アンケート調査
アンケート調査は、マーケティングリサーチの一つとして、調査対象(主にユーザーや見込みユーザー)にアンケート用紙などの質問票を配布して回答を得る調査方法です。
対象者に対し一斉に実施し、得た回答データを定量的に分析することで調査テーマに対する対象者の反応や傾向を把握します。
現在では、オンラインアンケートが多く使われるようになりました。
スマホなどの端末さえあれば時間や場所を選ばず回答できるため、多数の人からの回答が期待できるという特徴があります。
GoogleフォームやSurveyMonkeyというツールを使えば、誰でも手軽にオンラインアンケートを実施できるのも広く使われるようになった理由でしょう。
一方でアンケート調査は、対象となるターゲットにきちんと回答してもらうことが大事です。
インターネットで不特定多数に投げかける場合には、どれくらい対象となるターゲットに回答してもらえるかということも重要です。
調査のための予算が潤沢であれば、調査会社に依頼し、対象とするターゲットのみに絞ってアンケートを実施する方法もあります。
モニター調査
モニター調査は、主に自社の商品・サービスに対する意見を求めます。
実際に商品・サービスを使用してもらい、意見や感想を集める調査です。
調査の対象者は商品・サービスのターゲット層に設定することが一般的ですが、調査の性格・目的によっては有識者から意見を聴取する場合も必要になります。
モニター調査では、以下のようなマーケティング戦略に有効性が認められています。
- 新商品開発
- 顧客満足度の向上
- 商品やサービスの認知度アップ
- 商品やサービス改善
また、モニター調査にはさまざまな種類があるので、目的に合う調査方法を採用し、一つのやり方に拘らないことが重要です。
それによってより正確なデータが回収でき、効果的なマーケティング戦略につなげることができるからです。
自社調査
この調査方法は、自社内に調査対象を求めるものです。
自社内に存在する実際のユーザーやターゲットに近しい層に商品やサービスを使用してもらい、感想や意見を回収する方法です。
この方法は、従業員やスタッフの多い大企業に向いている方法といえます。
新規事業を検討する際の調査では、社内における事業の認知度を上げ、予算を獲得するという意味でも自社調査は有効です。
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新規事業におけるニーズ調査のポイント
新規事業におけるニーズの調査は、事業の成否に関わる大切な取り組みであることはお伝えしたとおりです。
ここでは、実際にニーズ調査を行うときにどのような点に気をつけるべきかを紹介します。
ターゲットの明確化
どんな事業を展開するにせよ、ターゲットは明確にする必要があります。
曖昧なターゲットに対して調査をしても、調査結果から事業の方向性を決めるような何かを得ることは難しいでしょう。
ターゲットを具体的に絞るからこそ、明確なニーズが見えてきたり、事業の課題につながるヒントが得られます。
事業軸の決定
ニーズ調査を実施する前に事業の軸を定めましょう。
例えば、会社のビジョンや中期計画に沿う事業にする、あるいは既存客とは違う新たな顧客層を開拓するなど、ある程度の軸があると、ニーズ調査でどのような人にどのような質問をすれば有効な調査になるのかが見えてくるようになります。
調査のフェーズを明確にする
ニーズ調査の目標を決めましょう。
目標を定めれば、目標達成のために詳細に計画して調査に臨むことができます。
仮に調査結果で目標に対して不足しているものがあった場合もすぐに気づくことができ、必要な再調査を設計することができるでしょう。
新規事業におけるニーズ調査のよくある失敗例
新規事業のニーズ調査がうまくいかないとその後の事業に大きな影響を与える可能性があります。
新規事業のニーズ調査でよくある失敗をいくつか紹介します。
①ユーザーが明確でない
より広い回答や意見を求めようとして不特定多数を対象に調査をしてしまうと、結果的に調査結果から事業を先に進めるための情報を取捨選択できないという事態に陥ります。
そのような調査結果をもとに事業の方向性を定めてしまうと事業の失敗を招く恐れがあります。
②ユーザーの回答負荷が高すぎる
知りたいという思いが強くなりすぎ、質問事項が多すぎたり、選択肢を増やしすぎたりして、回答者に余分な負荷を与えてしまったために、正確な回答が得られなくなることがあります。
③本音を引き出せていない
ユーザーの本音を引き出せず、建前の回答ばかりではせっかくの調査がムダになります。
簡単ではありませんが、アンケート結果がどのように利用されるのかを説明し回答者の不安を取り除くなど、回答者の心理を考慮した調査設計やヒアリングスキルが求められます。
アンケート調査のポイント
アンケートと一言で言っても多くの方法があり、知りたい情報や回答者などに合わせて適切な方法を選択しなければ、効果的なデータを得ることができません。そこで、アンケートの作成上で意識すべきポイントをいくつか紹介しておきます。
①目的の明確化
本記事でも何度か述べていますが、闇雲にアンケートを実施しても効果は期待できません。
実施する目的を明確にする必要があります。
②調査内容に合致した調査方法を選ぶ
インターネットをはじめ郵送、訪問、来店など調査方法はさまざまありますが、目的が明確化されたら、適切なアンケート方法を選択します。
アンケート方法にはそれぞれメリットもデメリットもありますから、どんな情報が知りたいのか、調査の対象者は誰なのか、これを明確にしたうえで調査方法を決定することが重要になります。
③質問内容・文章で作成する
一言で言えば、回答者に伝わりやすい質問内容を考えるということです。
つまり、回答者に質問内容がしっかり伝わる文章を作成します。
ここでは意味が分かりやすいだけでなく、回答しやすい質問文を選ぶことが大切です。回答者が迷うことなくスムーズに回答できる質問文を作成することで、間違って回答をしたり、未回答のまま提出されたりするリスクを低減できます。
アンケートの形式に合わせて質問文を工夫する、これも重要なポイントです。
④回答形式を工夫する
多くの回答形式が存在する中で、知りたい情報の質や量、回答者の数などに合わせて適切な形式を選択するのがポイントになります。
単一回答、複数回答、自由回答、制限マルチ、順位型、数値配分法、マトリクスなどが挙げられますが、新規事業の内容、質問の内容によってはどれを選択するか迷うこともあります。
回答形式の選択はそのアンケートの命運を左右するものでもありますから、そのような場合には、自分たちで判断せず専門家・プロの助言を受けてください。
⑤データの分析
最後に収集したデータの分析をします。
アンケートを実施したことで明らかになることもあれば、新たな問題点が浮上してくる場合もあります。
問題点や課題が出てきた場合は、再度アンケートを実施したり、別のアプローチを使った調査などは、新規事業には必要な業務になります。
調査方法は多岐に渡る!プロへの相談も手段の1つ
アンケート調査といってもその方法は多岐に渡り、まずその選択から迷う場合があります。
またアンケート調査はマーケティングリサーチの一つで、新規事業開始にあたって利用できる調査方法はほかにもたくさんあります。
限られた予算と時間で新規事業を立ち上げ軌道に乗せるための必須条件の1つは有効なマーケティングリサーチです。
誤った知識や専門知識の少なさからマーケティングリサーチに失敗するケースが企業規模に関係なく多くみられます。
そうでなくても新規事業の失敗確率は高いといわれていますから、専門家やプロから助言や指導を受けることは有効な選択肢の一つとして考えてもいいでしょう。
【関連記事】新記事業コンサルティングの役割とは?依頼のメリットや失敗しない選び方
まとめ
本稿では、新規事業におけるニーズ調査の重要性と代表的な調査方法を併せて紹介しました。
新規事業を立ち上げる上で、ニーズ調査は必要不可欠です。
なぜならニーズ調査をしなければ、顧客の実態や本音が把握できないからです。アンケート調査・モニター調査・自社利用のニーズ調査を積極的に行ってください。
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ニーズ調査はもちろんですが、新規事業開発全般についての豊富な知見をもち、特に大企業様の新規プロジェクトへのニーズに応えるノウハウもあります。是非一度当社にご相談ください。