グリーンイノベーションとは?基金や企業の取組み事例を紹介

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世界が共通して抱える大きな課題には、地球環境保全や食糧問題などがあります。

それに取り組む広範囲の活動がグリーンイノベーションです。

今回の記事では、グリーンイノベーションやグリーンイノベーション基金の概要、企業にもたらす効果やメリット、実際に取り組んでいる企業事例を詳しく解説します。

グリーンイノベーションとは?

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グリーンイノベーションとは、地球規模の課題となっている環境問題に取り組むため、さまざまな科学技術や社会的な思考の変革を基盤とし、国際社会の持続的な発展を目指す広範囲に及ぶ活動のことです。

本来イノベーションは「新しいこと(革新)」を意味する言葉であり、日本においては「技術革新」と訳されています。

つまり「社会の成長」と「自然の維持」といった相反しかねない双方の関係性を、未来へ向けて好循環させていくため、革新的な経済と環境の両立を実現するものです。

具体的な施策としては、アメリカの「グリーン・ニューディール」が有名なアクションになります。

これは、地球温暖化対策に取り組む公共事業へ公的資金を投入することで、アメリカ国内の雇用促進や経済成長などを目指すことが狙いです。

また日本でも、経済産業省がグリーンイノベーションについて大勢の国民が関わる多方面の分野を対象にするものと捉えており、低炭素社会・循環型社会・自然共生社会の実現といった環境に配慮したエネルギー大国を目指す方針を発表しています。

グリーンイノベーション基金とは?

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2020年10月、日本は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。

これは「2050年までに日本国内で排出している温室効果ガスを実質ゼロにする」というものです。

この宣言を実現するため「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定され、さまざまな取り組みがおこなわれています。

そんな中で主軸を担うプロジェクトが「NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)」に創設された、総額2兆円にも及ぶ「グリーンイノベーション基金」です。

グリーンイノベーション基金は、官民ともに野心的かつ具体的な目標を掲げ、特に民間企業の取り組みに対して長期的かつ継続的なバックアップをおこなっていくことが目的です。

おもな支援対象は、日本のグリーン成長戦略において実行計画を策定されている「エネルギー関連産業」「輸送・製造関連産業」「家庭・オフィス関連産業」の重点14分野であり、野心的な2030年目標(性能、コスト、生産性、導入量、CO2削減量等)を目指すプロジェクトを掲げた一般企業、大学や研究機関などです。

プロジェクト期間は10年間(最長)、プロジェクト規模は200億円(平均規模)以上です。

支援条件は、国が認めた革新的かつ基盤的な研究開発要素を含んでいることであり、プロジェクトの一環に補助事業を実施し、補助率などは取組内容に応じて設定されます。

 

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グリーンイノベーションが企業にもたらす効果・メリット

グリーンイノベーションが企業にもたらす効果・メリット

経済と環境の革新的かつ持続的な両立を目指すグリーンイノベーションですが、実際に企業が取り組んだ場合、どのようなメリットがあるのでしょう?

ここでは、グリーンイノベーションが企業にもたらす有益な効果を解説します。

メリット①企業イメージの向上

グリーンイノベーションに取り組めば、企業のイメージアップを図ることができます。

これは、家電品・食料品・衣料品・雑貨といった一般消費者へ商品やサービスを提供している企業ほど、その効果が期待できるでしょう。同業他社との差別化を図るうえでも、今後グリーンイノベーションの活動が拡大すると見られています。

すでに国内では40社ほどの企業が事業運営で使用する燃料を「100%再生可能エネルギー」で調達してます。

メリット②投資家の高評価獲得

投資家の高い評価が得られることも、企業がグリーンイノベーションに取り組むメリットとして挙げられます。

これは近年注目を集めている投資のひとつとして、積極的に環境問題の対策を講じている企業の価値を重視する「ESG投資」が活発となっているからです。

投資家からの高評価(=投資)は、企業の資本力をアップする要素になるため、グリーンイノベーションが企業にもたらす効果といえるでしょう。

メリット③Jクレジットでの収益化

省エネルギー機器の導入や森林経営などにより、CO2排出削減量や吸収量をクレジットとして可視化する仕組みが「Jクレジット」です。

2013年から始まったこの制度では、他の企業にJクレジットを販売できるため、企業収益・社会へのPR効果・売買に伴う新たなネットワークの構築などのメリットが挙げられます。

2021年の時点でJ-クレジットに登録されたプロジェクトは900件ほどに及び、現在も年々増加中です。

グリーンイノベーションに取り組む企業事例

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官民が協力のもと、グリーン成長戦略を展開する日本国内では、どのような民間企業がグリーンイノベーションを実装しているのでしょうか?

ここでは、グリーンイノベーションに取り組んでいる具体的な企業の事例をご紹介します。

実例①トヨタ自動車株式会社

世界に名を馳せる自動車メーカーのトヨタでは、カーボンニュートラルの実現に向け、世界で販売する新車のCO2排出量を2035年までに19年比で50%以上削減する目標を立てています。

「省エネルギー」と「効率的な再生可能エネルギーの使用」を中心とした研究に取り組んでおり、その活動の一環が水素で動く燃料電池自動車の開発です。

実例②パナソニック株式会社

大手家電メーカーであるパナソニックは、ノンフロンの冷蔵庫やCO2を冷却に利用する冷凍庫の開発をしています。

地球温暖化の原因になるフロンを使わない、従来よりもCO2排出量を抑えることができるなど、経済と環境を意識した商品の製造・販売が、生活に根付いた家電品を提供するパナソニックのグリーンイノベーション事例に挙げられます。

実例③TOTO株式会社

カーボンニュートラル社会の実現に貢献するため、TOTOでは2030年までの科学的根拠に基づくCO2削減目標を策定しました。

具体的には、事業所からのCO2 排出量削減や再生可能エネルギー導入の拡大、商品の環境性能をより進化させ、使用時の CO2 排出量削減を図るなど、地球環境に配慮した豊かで快適な社会の実現を目指しています。

グリーンイノベーションを実装して企業や事業の成長をつかむ

グリーンイノベーションとは、持続可能な社会の発展を目指すため、世界的な課題である環境問題に対し、あらゆる科学技術や社会的な思考の変革を促す取り組みのことです。

実行すれば「企業のイメージアップ」「投資家の評価向上」「Jクレジットによる恩恵」などのメリットが期待できます。

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執筆者紹介

西村 聖司

アクセンチュアに20年以上在籍後、創業。主に製造業やサービス業のお客様に対して、営業改革や人事業務改革・人材育成、コミュニケーション変革などの企画やプロジェクトマネジメントのコンサルティングサービスを提供。中小企業診断士として、経営指導やベンチャー支援も実施。

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