ノーコード開発とは?ローコードとの違いとメリット・導入企業の実際の課題を解説

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ソースコードを使わずにアプリケーションが作れる「ノーコード開発」が、近年企業にも導入されてきています。

ソースコードを使用するローコード開発との違いには、どんなものがあるのでしょうか。

ノーコード開発のメリットや、導入企業の実際の課題と併せて紐解いていきます。

ノーコード開発とは?

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ノーコード開発は言葉の通り、コードを書かずに開発できます。

アプリケーションを作る際に自分でプログラムを書く必要がありません。

開発に知識のない方でも直感的に操作して、業務用のアプリケーションやモックアップなどを簡単に作ることが可能です。

普段パソコン操作をしている方が使う、クリックやドラッグ&ドロップの操作などでアプリケーションを組み立てていきます。

プログラミングの知識がなくても開発できるということで、近年企業のウェブ担当者が自社のアプリ作りに活用しているケースも多くなってきました。

「基本的なパソコン操作はできるけど、プログラミングの知識はない」という方がアプリケーションを作るのにおすすめです。

ローコード開発とは?

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ローコード開発とは可能な限りソースコードを書かずにアプリケーションを迅速に開発を使って開発する方法やそのためのツールを指します。

GUI(Graphical User Interface)という視覚的に操作が可能な方法を用いてアプリケーションの見た目や基本的な機能を設定しつつ、高度なことやツールに準備されていない機能を実装したい場合には自分でコードを書いてプログラミングを行うことで実現することができます。

ノーコードとローコードの違い

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ノーコードとローコードの一番の違いは、プログラミングを知らなくてもアプリケーションが作れるところです。

ローコードの方が、アプリケーションを作る時のデザイン性や機能性において自由度が高いというメリットがあります。

ノーコードはある程度テンプレートや操作できる範囲が決まっているため、ノーコードよりは自由度が低く、実現できることに制限があります。

しかし知識がない人がローコードから作業する場合、プログラミングが要求されるアプリケーションを作れるようになるまでには最低でも2〜3ヶ月は勉強する必要がある一方、ノーコードはブロックを組み立てるイメージで直感的に操作をしてアプリケーションが作れます。

プログラミングを知らなくてもホームページを作れる点が、ノーコードとローコードの大きな違いです。

 

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ノーコード・ローコードが普及した背景

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近年、IT業界だけでなく一般企業でも注目を集めているノーコードですが、ノーコードやローコードが普及した背景について掘り下げていきます。

IT業界の人材不足

経済産業省が平成28年6月に公表した「IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査1」 によれば、

IT 需要が今後拡大する一方で、我が国の労働人口(特に若年人口)は減少が 見込まれ、IT 人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は、需要が供給を上回り、2030 年には、最大で約 79 万人に拡大する可能性があると試算されている。

という記載があるように、加速するIT化に対して、人材が不足しているという試算がでていることが明らかになっています。

ローコード・ノーコードの普及には、こうした人材不足の状況を打破することも背景として存在します。

短い期間や自分で作成が可能

少ない人数・短い期間でモックアップ(模型という意味があり、アプリケーションの見た目を理解するための簡易版)を作成することや、ユーザーが自分自身でアプリケーションを作れる点が人気を博しローコード・ノーコードが普及したと考えられます。

特にノーコードはローコードと比べて簡単で分かりやすく、操作で質の高いアプリケーションができるようになっているのも普及した背景です。

ある程度操作方法が決められているため、ITに精通していないユーザーでも簡単なアプリケーションなら作れるようになっています。

多様化するニーズ

政府が2022年に発表した「新しい市場への対応」の中には

多様化する消費者ニーズを踏まえつつ、いかに付加価値を提供していくかが重要である

と記載されています。

企業として1つの課題を丁寧にクリアするより、多様化するニーズに迅速に対応する機会が多くなってきているのが現状です。

そんな多様な変化を遂げる市場にいち早く適応するためにも、ノーコード・ローコードの普及がさらに加速していると考えられます。

ノーコード・ローコード開発でできることとサービス事例

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実際にノーコード・ローコードを使って、開発できるサービスにはどんなものがあるのでしょうか?

事例を参考に開発サービスを紹介していきます。

例1:多機能性ツール

多機能性ツールは仕事の業務を簡略化したり、会社内での連絡、事務作業などを可視化できたりするものがあります。

事例:Kintone(キントーン)

  • データの蓄積
  • コミュニケーションツール
  • タスク管理
  • 日報
  • 社内でのさまざまな情報共有が可能な、多機能性の開発ツールです。

例2:専門性ツール

こちらの専門性ツールは多機能性ツールとは違い、1つのことに特化したノーコード・ローコードの開発ツールです。

こちらも事例をあげて紹介します。

事例:STUDIO(スタジオ)

  • webアプリケーション開発に特化したノーコードツール
  • ソースコードを使用せず、アプリケーションを作ることが可能
  • SEO対策やレスポンシブなどにも対応

操作の自由度も高い直感的に操作できることから、近年企業のweb開発にもよく取り入れられています。

導入事例:タイキ建設、株式会社メアリーアンドディーン、TALANTON by DIANA

例3:アプリ開発

ノーコード・ローコード開発では、自分でアプリを作ることも可能です。

事例:yappli(ヤプリ)

  • アプリに入れられる機能も多数あり
  • 汎用機能も備わっている
  • オリジナルのアプリが作れる

導入事例:KEYUCA、モスバーガー、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーなど多数

ノーコード・ローコード開発のメリット

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どんな人でも手軽に使えるようになってきているノーコード・ローコード開発ですが、課題もあります。

どんな課題があるのかを理解していきましょう。

メリット1:プログラミングの知識が不要

ノーコード・ローコードでの最大の魅力は、プログラミングの知識を知らなくても開発できるところです。

  • ノーコード・ローコード共に難しいプログラミングの知識は不要
  • 特にノーコードはローコードで必要な最低限の知識すらいらない
  • 直感的に、基本的なパソコン操作のみで開発が可能

メリット2:コスト削減ができる

プログラミングの知識がなくても操作できることで、誰でも始めやすくなりました。

そのため、コスト削減というメリットも生まれています。

  • 誰でも直感的に作業できるため、専門的な人員を増やす必要がない
  • チームや社内の人員でまかなうことが可能になる
  • 外部発注なども不要となり、コスト削減が可能

メリット3:開発の時間短縮ができる

さらに簡単に操作できるようになったことで、必要以上に時間がかからなくなり、開発時間の短縮にもつながっています。

  • 直感的な作業により、難しい作業やミスが減るため作業時間が短くできる
  • チーム間・社内間で作業ができるため、連絡時間も削減される
  • アプリケーションの開発はリリースまでの工程が削減できる

ノーコード・ローコード開発の課題

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どんな人でも手軽に使えるようになってきているノーコード・ローコード開発ですが、課題もあります。

どんな課題があるのかを理解していきましょう。

開発においてできることが限られている

  • 手軽にできる分、本格的な開発に比べるとできることが限られている
  • 複雑な作りやこだわりの部分がでてくると、再現できないこともある

教育コストがかかる

  • 簡単に操作はできるが、機能などを理解する教育にコスト・費用がかかる
  • ユーザーが課金して使うタイプのものが多いため、展開されづらい
  • 展開するための教育コスト・費用もかかる

多数ある野良アプリ、情報漏洩への危機感

  • 手軽に開発できることから、どんな人でも開発でき、中には悪質なものもある
  • とりあえず開発された野良アプリの中には、情報漏洩につながるものもある
  • アプリを見分けるユーザーの目利きに関するノウハウやスキルを学ぶ必要がある

ノーコード開発プラットフォーム

Webアプリケーション開発で人気のプラットフォームを説明した画像

ノーコード開発にも、Webアプリケーションやスマホアプリなど、制作物に特化したプラットフォームがあります。

自分の作りたいもの、使いたいものに合わせて使っていけるように、ジャンル別にプラットフォームを見ていきましょう。

Webアプリケーション開発で人気のプラットフォーム

WordPress

ネット上のアプリケーションの4割がWordPressで制作されているといわれているほど、ユーザーに根付いているノーコード開発です。

特長

  • プラグインによって自由度が増す
  • ノーコードとはいえ、作りたいものはある程度作ることが可能
  • 普及率が高い
  • 日本語対応 :あり
  • 利用難度 :少し難しい
  • 月額料金 サーバー代 :月額1,000円程度〜 テーマ代 :無料or5,000円前後〜(有料テーマは買い切りが多い)

STUDIO

サーバーを申し込まなくてもWebアプリケーションがアップできることから、人気が上昇しているのがSTUDIOです。

シンプルなアプリケーション設計に向いています。

特長

  • 別途サーバー契約が必要ない
  • テンプレートが充実している
  • 直感的な操作でアプリケーション構築ができる
  • 日本語対応 :あり
  • 利用難度 :易しい
  • 月額料金 Free :0円 Starter :980円 CMS :2,480円 Business :4980円

Webアプリ開発で人気のプラットフォーム

デバイスに直接インストールできるアプリともいわれているのがadaloです。

アメリカが開発したアプリで、Webアプリケーションからも制作できる点が注目されています。

特長

  • Android・iOS両方に対応している
  • UIの調節ができる
  • 日本語対応 :なし
  • 利用難度 :用意されたパーツを組み立てて作ることができるため、簡単
  • 月額料金(年額で20%OFF) 無料プラン :$0 starter :$45〜 professional :$65〜 team :$200〜 Business content :$250〜

業務効率化のデータベースのノーコード開発に特化したプラットフォーム

Notionは直感的に触って、シンプルかつ使いやすい業務効率化のデータベースです。

自由度も高いため、自分自身のオリジナルのデータベースが作れるのも特徴といえます。

特長

  • SlackやDiscord、X、Facebookなど連携して使うことができる
  • 操作がシンプルかつ簡単
  • 複数人で共有ができる
  • 日本語対応 :あり
  • 利用難度 :易しい
  • 月額料金(年間料金も対応)フリー :$0 プラス :$10〜 ビジネス :$18〜 エンタープライズ:企業向けプランもあり

まとめ

ノーコード開発とは、アプリケーションを作る際にプログラミングを行う必要がなく、直感的に開発できることを指しています。

ローコードとの違いとメリットには

  • プログラミングの知識が不要
  • コスト削減
  • 制作の時間短縮

があります。

今後ローコード・ノーコードは、新規事業などでうまく活用し、POCや部内業務の効率化といった場面での利用が期待されます。

機能性や課題面を十分に理解したうえで使用できれば、今後サイト制作やアプリケーション開発などを比較的シンプルに実装できるノーコード開発が力になってくれることは間違いないでしょう。

 

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執筆者紹介

中村 基樹

アクセンチュアに25年在籍後創業、主にハイテク製造業、通信、不動産、自治体のお客様の経営課題解決に尽力。新規事業・成長戦略、デジタル・IoT戦略、営業改革、SCM・調達改革、IT戦略・構築、業務・ITアウトソーシングなど、数多くのコンサルティングサービスを提供。

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