D2Cとは?市場は拡大傾向?成功のポイントを詳細に解説

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製造者と消費者が、インターネット上で直接取引を行うD2Cの市場が徐々に広がってきています。

D2Cはこれまでの通販サイトとはどのような点が異なるのでしょうか?

この記事ではD2Cがなぜ人気を集めているのか、どのようにして成功させるのかそのポイントを解説していきます。

D2Cとは?

D2C

D2C(Direct to Consumer)は、製造者が消費者と直接取引をするというビジネスモデルを指す言葉です。

D2Cでは、製造者やメーカーが卸業者や小売業者を介さずに、主に自社のECサイトを通じて商品を直接販売します。

商品の流通経路が簡略化されるため、製造者は直接的に顧客と関わることができます。

D2Cと似た言葉にB2B(Business to Business)やB2C(Business to Consumer)がありますが、B2Bは企業同士が取引を行うことであり、B2Cは企業と消費者が取引を行うビジネスモデルという点で異なっています。D2Cの「D」は企業ではなく生産者という定義になっており、登記を行っていない個人事業主も対象になります。

D2Cのマーケットは拡大傾向

D2C

結論からいうとD2Cの市場は拡大傾向にあり、今後さらなる成長が見込まれています。

「売れるネット広告社」の調査によれば、国内のD2C市場は拡大傾向にあります。2015年の市場規模が1兆3,300億円であったのに対し、2019年には2兆円を超え、2020年には前年対比109%の2兆2,200億円に達しました。

さらに2025年までの見通しでは、D2C市場は3兆円に達すると予測されています。

同様に米国においてもD2C市場は拡大しており、eMarketerによると、2020年のD2C企業のEC売上は前年比45.5%増で、12兆円に達しています。

これらの成長の背景には、ShopifyやBaseなど手軽に自社ECサイトが作れるサービスが登場し、事業規模を問わず多くの人が参入できることが影響していると考えられます。

D2Cで成功するためのポイント

D2C

市場規模は拡大傾向にあるものの、D2Cで成功をおさめるためには市況に合わせたマーケティングスキルが欠かせません。

ここではD2Cを成功させるためのポイントを、マーケティングの観点から以下の2つに絞って解説します。

  1. 商材やポジションの見極め
  2. ブランディング・マーケティング戦略の立案と実行

商材やポジションの見極め

D2Cビジネスでは、基本的に楽天市場やAmazonなど通販プラットフォームには出店しないため、自社のECサイトで価値提案を行う必要があります。

つまりD2Cビジネスで成功するためには、通販プラットフォームとの差別化が求められます。

独自の価値をもち、大手通販プラットフォームにはない商材を扱うことで、競合を避け安定した売上を獲得できます。

そのためには、現在市場にある製品や通販プラットフォームで支持を得ている製品、SNSで話題を集めそうな商材を調査するなど、下準備が重要になります。

ブランディング・マーケティング戦略の立案と実行

D2Cでは、独自性のあるブランディングやマーケティング手法が求められます。

自社ブランドを確立させるためには、ターゲットとなる顧客が求めるものを調査し、ダイレクトに訴求する必要があります。

特に、SNSやリスティング広告はD2Cには欠かせないツールです。定期的な投稿や顧客とのコミュニケーションを通して、共感を生み心理的な距離を縮めます。

同時に、露出を高めるために自社サイトやオウンドメディアを用いてのSEO対策はもちろん、サイトに訪れた顧客をスムーズに購入まで結びつけるUI・UXを充実させます。

また自社ECを立上げ直後は商品ページの作成や、広告の出稿、商品の梱包や発送、ダイレクトメール、顧客リストの作成などタスクが膨大になるため、優先順位をつけ着実にこなしていきましょう。

 

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ライブコマースの加速とその理由

ライブコマース加速の理由

現在、D2Cの手法の一つとして中国では「ライブコマース」が人気を集めています。

ライブコマースとはリアルタイムでのライブ配信を活用して、商品やサービスを販売するビジネスモデルです。

近いうちに、日本でもムーブメントがおこると予想されています。

ここでは中国でライブコマースが流行している理由について、以下の4つを解説していきます。

  1. 通常よりもお得な価格
  2. ライブならではのリアルな商品情報
  3. 専門性や人気の高いインフルエンサーから購入
  4. 新鮮な購入体験

通常よりもお得な価格

ライブコマースでは、定価よりもディスカウントされて販売されるのが一般的です。

そのため、商品のリピーターはいつもよりもお得に購入でき、初めて商品を購入する新規顧客にとっては試しやすいというメリットがあります。

また、ライブ配信という限定された時間内でのみ特別価格で購入できるという希少性によって、顧客の購買意欲を促進します。

ライブならではのリアルな商品情報

ライブコマースでは、商品の担当者や愛用しているインフルエンサーがリアルタイムに商品の効果や使い方を配信するため、商品に対しての理解が早いという特徴があります。

通常、潜在顧客はある商品の購入を検討した際に、インターネットで検索したり、店頭で説明を受けたりして商品の情報収集を行います。

調べている際に競合製品と比較されることもあり、他にも実際の購入までにはいくつかハードルがあります。

しかしライブコマースでは顧客は商品の情報を集める手間がなくなるため、ダイレクトに購買行動に移ります。

専門性や人気の高いインフルエンサーから購入

ライブコマースでは、企業がSNSや配信で活躍するインフルエンサーに販促依頼を出すのが現在の主な方法です。

潜在顧客以外にも、インフルエンサーのファンに商品のセールスができるため、本来商品のターゲットではない客層への販売も見込めます。

ただしインフルエンサーを選定する際には、商品に関して専門性や愛着があることが求められます。

インフルエンサーが商品に関して知識や思い入れがあることで、顧客は商品に関する理解を深めやすくなり、購入につながります。

新鮮な購入体験

ライブコマースはURLやQRコードを読み込んで、その場で商品の注文と決済を完結できます。

商品の機能や性能に納得できれば、ライブ配信を最後まで見なくても途中で購入が可能で、購入者が増えるとライブ配信も盛り上がります。

また、ライブ配信ではチャットやコメントを通して配信者と視聴者でコミュニケーションが可能です。

商品について疑問を持った際にその場で質問ができるのはもちろん、自分が気になっていることを他の視聴者が質問することもあります。

このライブ感や盛り上がりによって、つい財布のヒモがゆるむという人も多く、ある種のエンターテイメント性のある新鮮な購入体験を提供できます。

 

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執筆者紹介

中村 基樹

アクセンチュアに25年在籍後創業、主にハイテク製造業、通信、不動産、自治体のお客様の経営課題解決に尽力。新規事業・成長戦略、デジタル・IoT戦略、営業改革、SCM・調達改革、IT戦略・構築、業務・ITアウトソーシングなど、数多くのコンサルティングサービスを提供。

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