ファンマーケティングとは?効果や具体的な方法と企業の成功実例を紹介

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新規顧客の獲得は、企業の売上拡大を目指すうえで必須条件となります。

既存顧客を自社の熱狂的なファンにさせ、新規顧客を増やす手法がファンマーケティングです。

今回の記事では、ファンマーケティングの概要や効果・メリットを徹底的に解説します。

また具体的な施策や手法、成功企業事例もご紹介します。

ファンマーケティングとは?

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ファンマーケティングとは、商品やサービス、ブランドに対する熱狂的なファンを増やし、中長期的な売上拡大を目指すマーケティング手法です。

ビジネスの世界におけるファンの存在とは、企業の世界観や創業者の価値観に共感・信頼・応援してくれる熱心な顧客を指します。

〇〇信者や〇〇愛好家などと称されるファンの特徴は、商品の購入頻度やサービスの利用回数といった「顧客生涯価値(Life Time Value)※以下LTV」が高いことです。

LTVとは、企業にとって顧客ひとり当たりの収益性をいいます。

従来のマーケティング手法では、テレビや雑誌などのマスメディアを利用し、幅広く大衆へアプローチをかけるマスマーケティングが主流でした。

しかしファンマーケティングでは、熱狂的なファンの購入・利用によって、商品やサービス、ブランドの存在や魅力が口コミや情報発信・拡散されることから、潜在顧客・顕在顧客ひとりひとりにアピールできるため、新規顧客の獲得が期待できます。

ファンマーケティングがもたらす効果・メリット

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商品・サービス・ブランドの熱狂的なファンを獲得し、中長期的に売上を拡大していく手法がファンマーケティングです。

ここでは、ファンマーケティングが企業にもたらすおもな効果やメリットをご紹介します。

メリット①安定した売上基盤の構築

一般的に成熟市場では、商品やサービスの品質面・機能面における競合他社との差別化が図りにくくなるため、価格面での争いになりがちです。

その結果、商品やサービスの価格が低下し、利益が縮小してしまいます。

しかし企業の売上高の80%を占めるとされる熱狂的なファンを持っていれば、価格に影響されることなく安定した売上基盤を構築し、高い利益を得ることができるのです。

これは、提供する商品やサービスへの信頼や愛着があるファンマーケティングならではの効果といえるでしょう。

メリット②口コミ・情報発信・拡散による新規顧客の獲得

熱狂的なファンによる商品やサービス、ブランドに関する情報発信や拡散も、ファンマーケティングが企業にもたらす大きなメリットです。

潜在顧客・顕在顧客は、商品やサービスを購入・利用する前に、口コミやSNSでの評判をチェックする傾向にあります。

熱狂的なファンが積極的に高評価の情報発信や拡散をおこなえば、新規顧客をスムーズに獲得できるようになるでしょう。

またファンの口コミやSNS発信は、膨大な広告費用の削減にも一役買ってくれます。

メリット③良質なフィードバック

商品やサービスを購入・利用する熱狂的なファンは、提供する企業以上に商品やサービスの問題点に敏感です。

これは、自分の応援するブランドが競合他社よりも優れた存在であってほしいとの願いからであり、ユーザー目線の改善点を自発的に伝えてくれます。

このようにコストをかけずに、良質なフィードバックを得られる効果がファンマーケティングのメリットです。

熱狂的なファンの声をもとに、商品やサービスを改善すれば、より購買意欲や情報発信を掻き立てることができます。

 

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ファンマーケティングの施策・手法

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自社の中長期的な売上拡大につながる熱狂的なファンを獲得するためには、どのような施策が効果的なのでしょうか?

ここでは、ファンマーケティングにおける具体的な手法をご紹介します。

手法①ファンの定義付け

まずは、自社におけるファンの定義を明確にしましょう。

熱狂的なファンを具体的に定義する場合「購買=実際どの程度商品やサービスを利用してくれているのか」「愛着=自社にどの程度の愛着があるのか」をデータで算出することです。

それぞれデータは、売上や顧客推奨度(NPS)から明確な数値として把握できるため、ファンを定義付けするうえでの判断材料となります。

手法②SNSの活用

価値観が多様化している現在においてSNSの活用は、ファンマーケティングの成果を挙げる重要な施策となります。

X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、FacebookなどのSNSは、数多くの顧客とよりコアな接点を持つことができるコミュニケーションツールです。

複数のSNSでアカウントを開設すれば、顧客との接点を増やせるうえ、商品やサービスの魅力や特徴を伝えることができます。

手法③コミュニティサイトの構築

ファンが集えるコミュニティサイトの構築も必須です。

ファンマーケティングにおけるコミュニティサイトの存在は、ファン同士の交流を促進し、商品やサービスへの理解度や利用頻度を高めるため、販売機会の拡大につなげられます。

また、良質なフィードバックが収集可能であり、競合他社へのファン流出を防止する効果も期待できるでしょう。

このような交流をきっかけに熱狂的なファンが増えることも少なくありません。

手法④ファンミーティングの開催

定期的なファンミーティングの開催も、ファンマーケティングの効果的な施策です。

企業とファンやファン同士が直接交流できるファンミーティングでは、企業として商品やサービスに対する感想・意見・要望をダイレクトに聞ける点が大きな魅力となります。

これによって、具体的な改善策の発案や魅力的な新企画の誕生などにつながり、企業とファンの深い信頼関係を築けるようになるのです。

手法⑤クラウドファンディングの実施

クラウドファンディングとは、インターネットを通じ、不特定多数の人から購入・寄付・金融などによって資金を調達する方法です。

この仕組みを利用すれば、市場に売り出す前の新しい商品やサービスを販売できるため、リスクを抑えて信憑性の高いユーザーの意見や反応を集めることができます。

また、将来的に熱狂的なファンとなりうる顧客の情報収集や該当商品やサービスの効率的なブランディングが可能です。

ファンマーケティングの成功企業事例

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新規顧客やライトユーザーに熱狂的なファンになってもらうファンマーケティングを導入し、中長期的な売上拡大に成功した企業が数多くあります。

ここからは、ファンマーケティングを活用している具体的な企業の成功事例を見ていきましょう。

実例①スターバックス

ファンマーケティングの実績を挙げている代表的な企業といえば、世界に約3,300店舗を展開する国際的なコーヒーチェーン店のスターバックスです。

世界規模のスターバックスはマスメディアをあまり利用せず、SNSを中心とした戦略でファンを増やしており、ファンマーケティングのみで1500万人以上のタッチポイントを有しています。

実例②AWS

Amazonが提供しているクラウドサービスがAWS(Amazon Web Services)です。

このAWSもファンマーケティングによって、熱狂的なファンの獲得に成功した企業のひとつに挙げられます。

AWSでは、自社の魅力を知る既存ファンが能動的に情報を発信できる環境を提供し、コミュニティ化する戦略を展開しました。

これによってファンコミュニティが拡大し、数多くの新規ファンを取り込んでいます。

まとめ:熱狂的なファンを増やす手法がファンマーケティング

自社が提供する商品やサービスの熱狂的なファンを増やし、中長期的な売上拡大を目指す戦略がファンマーケティングです。

ファンマーケティングが成功すれば、売上基盤を安定させる、口コミや情報発信による新規顧客の獲得、良質なフィードバックといったメリットが期待できます。

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執筆者紹介

中村 基樹

アクセンチュアに25年在籍後創業、主にハイテク製造業、通信、不動産、自治体のお客様の経営課題解決に尽力。新規事業・成長戦略、デジタル・IoT戦略、営業改革、SCM・調達改革、IT戦略・構築、業務・ITアウトソーシングなど、数多くのコンサルティングサービスを提供。

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