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越境ECとは、国を越えてインターネット上で商品の売買を行うビジネスです。
日本の製品は中国やアメリカを中心に人気が高く、海外需要を見込んで越境ECを行う企業も増えてきました。
この記事では、越境ECの市場規模や新規で立上げる際に注意すべきポイントを具体的に紹介しています。
越境ECの市場規模
越境ECにおける主要国の市場規模を見ていきましょう。
まず、日本の越境BtoC EC市場は総市場規模が3954億円で、米国経由が3561億円、中国経由が392億円となっています。
次に、米国の越境BtoC EC市場は総市場規模が2兆2111億円で、その内訳は日本経由が1兆3056億円、中国経由が9055億円です。
そして、中国の越境BtoC EC市場は総市場規模が5兆68億円で、日本経由が2兆2569億円、米国経由が2兆7499億円となっています。
これらの数字から、中国が最も大きな市場であり、米国もその規模が大きいことがわかります。
日本も主要な取引相手として位置しており、輸出の比率が高く市場の形成に大きく影響を与えています。
日本でよく売れる商品カテゴリ
越境ECにおいて、世界の国が日本から購入したいと考えている商品はある程度の傾向があります。
経済産業省の調査結果によれば、最も人気のある日本の商品は「美容コスメ」で、44%もの海外の購入者が関心の高いカテゴリーだと回答しています。
次に人気なのは「衣料品/アパレル」が43%、その後ろに「食料品・アルコール」が30%となっています。
これらの製品が、海外の顧客にとって魅力的な日本の売れ筋商品です。
特に日本の化粧品は世界的に需要が高まっており、中国ではコロナ禍において化粧をする人口が増加しているという調査報告もあります。
化粧品は日本ではすでに成熟市場である一方で、中国では新しく利用する人も増えており、化粧品市場全体としては拡大傾向が見られています。
また、ファーストリテイリングが運営するユニクロも、世界市場において代表的な人気アパレルブランドです。
アパレル業界に関しても国内の市場は縮小傾向にあるものの、海外では需要が高まっており、ユニクロ以外でも越境ECに力を入れている企業が注目されています。
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「輸出」観点で考えるべきこと
これまでお話ししたとおり、越境ECにおいて日本製品の需要は高いため、輸出が成功しやすいでしょう。
ここでは、これから越境ECで輸出を始めるに当たって、注意すべきポイントを2点解説します。
- 法律や商習慣の確認
- 集客と物流の方法を決める
法律や商習慣の確認
越境ECで輸出を行う際には、まずは現地の以下の点の確認を行いましょう。
- 輸出入に関する法律の確認
- 税関手続きの方法
- 商品の輸入が現地の法令に反していないか
- 法令に則った商品表示と安全基準
- 現地スタッフとの取引条件
- 返品に関するルール
出荷先の輸出入関連法規制や税関手続きを正確に理解し、商品やサービスが各国の法令に適合していることを確認します。
特に、国によっては輸入が禁止されている製品もあるため注意しましょう。
また法定表示や商品規格、安全基準についてもターゲットとする国ごとに確認し、必要な情報を商品やECサイトに表示します。
さらに、顧客や現地の拠点との取引条件も重要な要素です。
支払い条件や契約書の内容を、現地の商習慣と照らし合わせながら決めていきます。
例えば現地で一般的に使用される決済方法を取り入れること、返品に関する消費者の考え方、製品に求める品質や条件などを確認していきます。
商習慣に関しては、国によって千差万別なため調査に時間を要するため、早いうちから着手しておきましょう。
また、現地に信頼できるパートナーがいると有利になります。
集客と物流の方法を決める
越境ECで輸出を成功させるためには、適切な集客方法と合理的な物流戦略が大切です。
そのための手順は以下の通りです。
- 商品が認知されるまでのロードマップの作成(SEO、広告、SNS)
- 多言語に対応する商品説明とホームページの作成
- 安全な運送会社の選定
- カスタマーサポートの設定
まず越境ECの集客施策においては、国内と異なる市場やユーザーの特性を理解し、効果的な方法を選定することが重要です。
たとえば中国では日本とは検索エンジンが異なるため、日本やアメリカのSEO対策が通用しません。
広告やソーシャルメディアを積極的に活用し、集客する必要があります。
また多言語の国や第三国からの居住者もターゲットにするなら、多言語に翻訳した説明書やウェブサイトを用意しておくと、ユーザビリティの向上につながります。
さらに輸出で十分な利益を出すためには、合理的な物流体制が不可欠です。
効率的で確実な物流を実現するためには、現地の配送に対応する信頼性の高い運送会社を選定し、安全かつ迅速に配送サービスを提供することが求められます。
配送トラブルはビジネスを続けているうちに必ず起こることと踏まえ、万が一に備え、迅速な問い合わせ対応、商品保証を整備しておきましょう。
「輸入」観点で考えるべきこと
越境ECは個人でも事業として立ち上げる人も多く、幅広い層が注目しているビジネスです。
今後はさらに活発になっていくとされており、その背景には2023年末にEUで売れ残った衣料品の廃棄を規制する法案が大筋合意されたことがあります。
これは2年後に適用される見込みです。
すでにハイブランドのアウトレット品がオンライン上のフラッシュセールスで販売されることも増えてきており、企業で越境ECに取り組む場合は、こういった情報をいち早くキャッチしてビジネスに活かすことが重要です。
「TACHIAGE(タチアゲ)」では世界の最新のトレンドを把握し、貴社の越境ECの成功のお手伝いをいたします。