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目次
新規事業の立ち上げでは、「人材(ヒト)」「モノ」「カネ」「情報」など、立ち上げる事業に相応しいリソースが必要になります。
なかでも「新規事業を任せられる人材がいない」「新しい事業領域に詳しい人材がいない」など、ヒトに関わる部分で壁にぶつかる企業も多いのが実情です。
自社で不足しているこれらのリソースをどのように補うか。その一つが外部リソースとしてコンサルティングを活用するケースです。本記事では、新規事業におけるコンサルティング活用のメリットや依頼する際の注意点などについて解説していきます。
新規事業開発におけるコンサルティングの役割・業務
新規事業開発を進める上で、市場やニーズ分析、事業アイデアとビジネスモデルの創出、体制構築、事業計画の作成、事業推進など、やらなければいけないことが多くあります。
これらを実行する上で必要な経験やノウハウを持った人材がいないなど、リソースが不足している場合に、コンサルティングを依頼することで効率よくスピーディーに事業運営に取り組むことができます。
また、コンサルティングを導入することで、コンサルタントが持つ知識や経験、スキルが自社のスタッフに伝わり、事業推進とともに人材育成にもつながります。
新規事業開発におけるよくある課題
新規事業開発における課題は大きく分けて次の3つがあります。
新規事業立案時の課題
・アイデアの創出…既存ビジネスの経験や成功体験に縛られてしまい、新しいアイデアが生まれてこない。
・ビジネスモデルの構築…事業のアイデアはあるものの、それをマネタイズできるビジネスモデルを組み立てることが難しい。
立ち上げ時の課題
・事業計画の作成…新規事業の内容が決まっても、その事業をどのようなスケジュールで進めるか、体制はどうするか、収益目標はどう設定するかなど、細かな計画に落とし込むことができない。
・メンバーの決定…メンバーの能力次第で成果は大きく違ってきます。知識経験の有無、コミュニュケーション能力の有無など、必要な能力から判断し適材適所な人材を選定することができない。
収益化時の課題
・KPI(重要業績評価指標)などの設計…最終的な目標から逆算して、事業を成功させるために必要な指標(KPI)の設計が、的を外れたものになっていると、事業がうまく回りません。
・仮説・検証…新規事業ですぐに結果を出すのは難しいため、仮説と検証を繰り返して事業のブラッシュアップを図ることが重要です。問題や課題を抽出し、その解決策を考える。この仮説と検証のPDCAをきちんと回せなければ、新規事業で成果を出すことは難しいでしょう。
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新規事業でコンサルタントや顧問を登用するメリット
新規事業で、特に既存事業とは別の領域の事業に挑戦する場合は、コンサルティング会社のサポートを受けることが有効です。
コンサルティングを依頼することで、的確な指示や改善の提案を受けることができ、迷うことなく正しい方向へ事業を進めていくことができます。
メリット①コンサルタントが持つ知見やノウハウを得られる
コンサルティングを依頼することで、コンサルタントが持つ新規事業に関する様々な知見やノウハウを得ることができます。
特定の業界に精通したコンサルタントであれば、実体験に基づいた業界特有の情報を多く有しているでしょう。
メリット②新規事業の業務内容を学べる
市場調査と情報収集、事業アイデアの考え方、事業計画の立て方など、これまで多くの新規事業をサポートしてきたコンサルタントから、新規事業に必要な業務で何をどう考え進めるべきかを学ぶことができます。
メリット③スケジュール通りに事業を推進できる
停滞しがちな新規事業の推進をリードして、いま何を優先的にやるべきかなど、事業を計画どおりに進めるためのサポートを得ることができます。
また、事業を推進するなかで仮説と検証のPDCAサイクルを回すためのサポートが得られます。
コンサルタントが、課題に対する仮説や解決策が適切かどうかを、第三者の目線でチェックをしてくれるため、正しい方向に事業を進めることができます。
メリット④社員の育成につながる
コンサルタントと共に新規事業を進めていくことで、新規事業に携わるメンバーがノウハウを吸収することができます。
それによって、自社に新規事業立ち上げのノウハウが蓄積され、次の新規事業に活かすことができます。
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新規事業のコンサルタントに依頼する時の準備と流れ
実際にコンサルティングを導入する場合は、依頼する側にも相応の準備が必要になります。
コンサルティングを依頼しても失敗してしまう原因の多くは、コンサルの選び方が間違っていたり、依頼の仕方が適切でなかったりします。
これから説明することを企業の方々に実行していただくことで、良いコンサルティングが受けられ、新規事業を素早く軌道に乗せることが可能になります。
コンサルタントを選ぶ際には、前項のコンサルティング会社からの提案内容ももちろん重要ですが、その他にもポイントがありますので、押さえておきましょう。
依頼内容を整理する
コンサルタントといえども万能ではありません。
コンサルタントにはそれぞれ得意分野があることを認識しておくことが大切です。それを踏まえた上で新規事業のなかで何をお願いしたいのか、どういった問題をサポートしてもらいたいのか、コンサルタントを活用する目的を明確にしましょう。
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コンサルティング会社からの提案を吟味する
依頼する内容を整理できたら、依頼するコンサルティング会社を絞り込み、依頼内容を伝えてコンサルティング会社から提案を受けましょう。
このときに注意したいことは、依頼内容をきちんと相手に理解してもらうことです。
秘密保持契約を交わした上で相手の理解が進むように自社の情報をきちんと開示することも重要です。その上で出てきた提案が、会社が考える方針などに合っているかを吟味します。
一般的には3~4社でコンペを行いますが、最近ではオンライン面談を使ってより多くの会社から提案を受けることが可能になっています。
発注先の決定
発注先に決定を焦る必要はありません。提案を吟味して必要であれば、依頼内容やコンサルティングの内容を調整しましょう。
最終的な依頼事項が決まるとコンサルティングの料金が決まります。
初回の提案でさっと決めることはせず、じっくりと納得のいく形に調整をして発注しましょう。
新規事業のコンサルタントを決めるポイント
最終的にコンサルタントを選ぶ際には、前項のコンサルティング会社からの提案内容ももちろん重要ですが、その他にもポイントがありますので、押さえておきましょう。
ポイント①実績で判断する
コンサルタントは資格があるわけではないため、個々の力量には差があります。
また、新規事業コンサルティングといっても飲食、小売、ITなど、得意分野もさまざまです。そのなかでコンサルタントを見極めるためには、これまでの実績を見ることです。
自社が進出しようとしている業界でどのような実績があるのか、また知識があるだけでなく、実際の現場に入って実績を出してきたのかを確認しましょう。
ポイント②コミュニケーションの円滑さ
コンサルタントと新規事業を一緒に進めていく上で、コミュニケーションの頻度や円滑さは重要な視点です。
レスポンスの速度、説明のわかりやすさ、こちらの話に対する理解度など、コミュニケーションが円滑に進まないと、新規事業を進める上での足かせになってしまう可能性があります。
まとめ
あえて費用を投じて(場合によっては長期の固定費ともなる)コンサルティングを依頼し、またコンサルティング会社も期待に応え結果を出すためには、お互いの理解・納得・信頼がベースになります。
きれいに整った立派な提案書を出してくれるところにしようと安易に考えるのではなく、将来あるべき姿(ゴール)を共に目指す仲間として、厳しい目でコンサルティング会社を選びましょう。
私たちはそうしたみなさんの期待に応えられる準備をしてお待ちしております。