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配車サービスはスマホアプリや電話で予約することにより、タクシーやバスなどを希望した場所、時間に配車してくれるサービスです。
本記事では配車サービスの具体的な内容や日本で利用できる人気の配車サービス、サービスの特徴などを解説しています。
配車サービスはスマホだけで予約から決済まで可能で、非常に利便性の高いサービスとして広がりを見せています。
配車サービスとは?
配車サービスはスマホアプリや電話で連絡を行うことで、利用したい時にタクシーやバスなどを配車してもらえるサービスです。
海外で広く知られているライドシェアも配車サービスの一種で、複数人で利用することによってガソリン代や費用の負担を軽減しています。
日本では大手タクシー会社が先んじて配車サービスを行い、その後IT企業も参入してタクシーやハイヤーの配車サービスを展開しています。
配車サービスはアプリで呼び出せることに加えて、アプリ上で設定したクレジットカードからの決済も可能です。
通常のタクシーやバスに比べて決済がスムーズで、乗降りもしやすい点が特徴といえるでしょう。
日本では交通機関の運転手の減少と高齢化により、タクシー・バス会社の利益が減少傾向にあります。
配車サービスで効率的に顧客を獲得することにより、需要の増加が期待されています。
配車サービスの成功例
日本で幅広く利用できる配車サービスの成功例を3つご紹介します。
GO(旧MOV+JapanTaxi)
1つ目は神奈川を中心に利用の多かったMOVと、日本交通系のJapanTaxiが統合されたアプリの「GO」です。
元々全国900事業者と提携していた「JapanTaxi」と、MOVが統合されたことにより、47都道府県で利用できるサービスになりました。
アプリで予約すると指定したタクシー会社に連絡が入り、利用者がピンで指示した場所にタクシーを配車してくれます。
ホテル配車機能があるため、宿泊先から出発前に予約すれば予定時刻にタクシーに待機してもらうことも可能です。
運賃でタクシー会社を選ぶこともでき、どのタクシーを利用するか自分で選べる点もメリットです。
2021年時点で500万ダウンロードを達成しており、多くの利用者がいるサービスです。
S.RIDE(エスライド)
S.RIDEは関東圏や愛知、大阪で利用できる配車サービスです。
特徴はアプリ上でボタンをスライドするだけで、忙しい時でもすぐに配車できる手軽さです。
ターゲット層は忙しいビジネスマンで、スムーズに乗降りできる仕組みが利用を促進しています。
支払い方法は車内決済、クレジットカード、QRコード決済の3種類から自由に選ぶことができます。
QRコード決済の「S.RIDE Wallet」を利用すれば、後で利用明細も発行でき、領収書の紛失やもらい忘れを防止できる点がメリットです。
利用する度にライドポイントという独自のポイントが付与され、10ポイントでスペシャルギフトの抽選が行われます。
関東や大阪などの都市部で利用者が多く、利用しやすいアプリとなっています。
Uber
Uberはアメリカで生まれた配車アプリで、日本においては「Uber Eats」とも連携しているのが「Uber Taxi」です。
現在地で配車予約することで、現在地付近のタクシーを呼び出せるのがサービスの特徴です。
また、Uber Taxiではドライバーの顔写真や詳しい車両情報も確認できるため、利用車が安心感を抱きやすい点も特徴といえるでしょう。
利用できる地域は限定的ですが、利用のしやすさから今後の広がりも期待できます。次の章で詳しく紹介します。
Uberが成功できたポイント
配車サービスのUberが日本で成功できたポイントを3点ご紹介します。
運転者だけでなく、利用者も評価されるシステム
Uberが他の配車サービスやアプリと大きく異なる点は、運転手と利用者の相互評価システムです。
アメリカ発のシェアリングサービスが発祥のUberは、一般のドライバーが利用客を乗せて運転することを前提にしていました。
いわゆるCtoC(個人対個人)の市場を基本にしていたため、不正が横行しやすい点が根本的な問題点でした。
そこで相互評価のシステムを導入することで、不正を行えば評価が下がり、自然と利用されなくなるシステムを駆使しています。
相互評価システムにより、運転手が利用者の評価を確認したうえで乗せるかどうかを判断することも可能です。
システムによって運転手はお客様対応を磨くこと、利用者は節度ある対応を行うように求められ、お互いが刺激となってサービスの質の向上に役立ちました。
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タクシーの来てほしい場所を指定できる
通常ではタクシーを拾おうとしたら、タクシーの集まる駅や商業・宿泊施設の付近に行かなくてはなりません。
しかしタクシーが必ず見つかるとも限らないことから、利用者は時間を浪費することも少なくありませんでした。
Uberは利用者の時間を浪費するデメリットを解消するため、アプリ上で場所を指定すればその場所までタクシーを配車します。
またタクシーが近くまで来ているとアプリ上で通知がされるため、迎えに来たタクシーを瞬時に見分けられます。
Uberを利用すれば、極端に到着の遅いタクシーは評価が下がるため、運転手側も最短ルートでの到着を目指そうとするでしょう。
利用者の「タクシーがなくて移動に困る」という悩みに対し、解決に適したサービスを提供しています。
到着の見込み時間がアプリ上で確認できる
Uberが成功した要因の1つには、アプリ上の地図で到着の見込み時間が確認できる点もあります。
Uberでは、次の3点がアプリ上で把握できることで利用しやすくしています。
- 配車から到着までの時間
- 目的地への到着見込み時間
- 現在の位置情報
3つのポイントが明確になっていることで、タクシーの利用がしやすいように配慮されています。
また相互評価システムがあるため、運転手が遠回りして運賃を稼ぐ手法も防止でき、スムーズに目的地に到着できます。
旅行やビジネスで計画的に行動したい人にとって、Uberは利用しやすいサービスです。
Uber普及までの裏話と苦痛
アメリカでも日本と同様に白タク(個人がタクシーサービスを勝手に行うこと)は元々違法であり、Uberはサービスを浸透することで自社のサービスを社会に認めさせてきたという歴史があります。
Uberはすぐにユーザーからは便利なサービスであると認知され、各都市でサービス開始が待望されるようになったそうなのですが、違法な地域も多く自治体の厳しい取り締まりを避けるためにGreyballというアプリを作成し、当局の捜査を回避するということを行っていたそうです。
仕組みとしてはユーザーのクレジットカード情報やソーシャルメディアのプロフィールを元に自治体の関係者や警察官などがUberを利用しようとした際にその注文をキャンセルし、当局が介入できにくくしていたとのことです。
競合のLyftも当初は「支払い」ではなく「寄付」という言い訳でドライバーにお金を渡す形を取っており、それも通常のタクシー料金の約6割程度という目安を示していました。
しかしながら、一部の自治体はサービスが普及してしまった実情に合わせ、保険や安全性を確保することを条件に営業を認める動きを取り出し、それがやがて法律を変えるに至りました。
現在は一般的なサービスとして普及し、Lyftとともに市民や観光客のインフラとして機能しているUberですが、このような過去もあり、岩盤規制を崩すのはアメリカでも難しいということが伺えます。
まとめ
2024年1月現在、日本では白タクが禁止されており、タクシー会社が作成した配車サービスはあるものの、UberやLyft、Go-jekのようなIT会社主導のサービスはありません。
しかしながら、菅義偉元首相がライドシェアを巡り解禁を唱えたことでライドシェアサービスの導入が議論され始めており、コロナをきっかけにタクシー運転手が大きく減ったことと、訪日観光客が大幅に増えたことも後押しとなっています。
これからライドシェアサービスへの参入を検討される場合にはこのような潮流も注視しつつ、配車サービス自体は既に世界的に大きな企業がいくつもあるので、例えば特定業種向けの物流や地域を絞る、飲食・サービス業との提携によりドライバーの効率を高めつつ独自色を出すなど、軸をずらした戦い方を検討されては如何でしょうか。
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